2012年4月5日これまでアメリカなど海外の取引所でしか売買できなかったレバレッジ型・空売り型ETFが日本に初登場。
参考)東証HP:日本初のレバレッジETF・インバースETF が上場します
空売りETFとは
空売りETFは、ショートETFとかインバース型ETFとかベア型ETFとか呼ばれるように、従来からあるETFとは異なり対象となる指数(インデックス)とは反対の動きをする上場投資信託です。
例えば、日経平均株価が下がればそれと連動する空売りETFの株価は上がるというものなので、これから株価が下がると予想した時に買うETFになります。
レバレッジ型のETFは、その名の通り対象となる指数に対して2倍もしくは3倍の値動きをする上場投資信託になります。
ではレバレッジ型・空売り型ETFのメリットとはなんでしょうか?
レバレッジ型と空売り型ETFのメリット
- 現物の証券口座で信用買い・空売りと同じ行為が可能になる(信用取引口座の開設が必要ない)
- 期限が基本的にない(一般的な制度信用取引で買い・空売りする場合は6ヶ月という期限がありますし、先物取引でも期限があります。)※一部無期限で信用取引出来る銘柄もあります
といったメリットがあります。
レバレッジ型と空売り型ETFの問題点、デメリット
逆にデメリットというか問題点もあります。それは、指数との連動が前営業日~当日間の変動率で設計されている点です。
以下は、-1倍の空売りETFの指数値を算出する式で、空売りETF指数値=前日の指数値×(1-1倍×インバース対象となるインデックス<例えば日経平均>の前日比変動率)
これだと対象となるインデックスが上昇・下落を繰り返していくうちにETFの株価は対象インデックスの(-1倍)騰落率から乖離していくという問題点があります。
式だけみても問題点がイメージし難いと思いますので具体例として上記式をもとに日経平均株価が日々1%上下に変動した場合を計算してみましょう。
日経平均株価 | 前日比変動率 | 空売りETFの指数値 | |
1日目 | 10000円 | – | 10000円 |
2日目 | 9900円 | -1% | 10100円 |
3日目 | 10000円 | +1% | 9999円 |
4日目 | 9900円 | -1% | 10099円 |
5日目 | 10000円 | +1% | 9998円 |
6日目 | 9900円 | -1% | 10097円 |
7日目 | 10000円 | +1% | 9997円 |
8日目 | 9900円 | -1% | 10096円 |
9日目 | 10000円 | +1% | 9996円 |
9日目に空売りETFの対象指数である日経平均株価が1万円に戻った時に空売りETFの指数値は9996円と4円マイナスになっています。
単純に-1倍で連動するなら1万円となるはずですが、こうなってしまうところが上で挙げた問題点で、
このためレバレッジ型・空売り型ETFは長期間保有することには適していない金融商品といえます。