資産運用の方法として、インデックス運用と不動産などの実物資産を活用したハイブリッド運用を個人投資家に啓蒙している内藤忍さん。
その内藤忍さんが実物資産への投資の中でお勧めしている1つがワインへの投資で、2015年に日本で初めてとなるワイン投資の本「飲めて殖やせる 究極のワイン投資」を出版されています。
今回の内藤忍さんが自身のメルマガの中で紹介していたワインファンド「ヴァンネット VIN-NET」社が金融庁から行政処分を告げられました。
内容をさっくり言うと、自転車操業していたということです。
過去に償還されたファンドにおいて、別のファンドへ出資された資金を充当していたということが判明したということです。
内藤忍さんが紹介したワインファンドとは
ワインへ投資する手段としては、ワインの現物を保有する方法よワインファンドに投資する方法の2つがあります。
現物を保有する投資手段としては、BB&R(ベリー・ブラザーズ・アンド・ラッド社)などを通じて購入し、倉庫に保管してもらうのが、代表的なやり方です。
http://www.bbr.co.jp/
また、ワインオークションという手段もあります。
BB&R(ベリー・ブラザーズ・アンド・ラッド社)に関しては私も実際に東京のオフィスにおじゃましてワインをいただきながらのセミナーを聴講したことがあります。
ワインそのものを購入するわけですから、当然それなりの知識や目利きが必要となります。
なので基本的に素人が手を出すものではありません。
また、BB&Rなどの専門家に相談しながらワインを選ぶと言っても、その助言を自身で理解できるか否かが重要です。
単純に鵜呑みにして投資をしてはいけません。
そしてワインへ投資手段のもう1つとしてワインファンドを利用する方法があります。
こちらについては、2014年に内藤忍さんはヴァンネット社が営業者になっている匿名組合形式のファンドを紹介しています。
また、内藤忍さんはヴァンネット社と共同でワインファンド視察ツアーも2013年に募集がなされていました。
ヴァンネット社のワインファンドへの投資金額は最低でも100万円~
また、内藤忍さんは、自身のメルマガの中でワイン投資のようなコモディティへの投資は資産の一部、資産全体の10%以下に抑えるようにすべきと言っていました。
コモディティ投資というと金や銀、原油、大豆などが有名です。
なので、ワインに投資するとしても、多くても資産全体の数パーセントということが常識的な判断となります。
内藤忍さんの評判に傷は付くが、多くの個人投資家にとって影響はない
今回の「ヴァンネット VIN-NET」社への行政処分で、その商品を紹介していた内藤忍の評判には一時的に傷が付くでしょう。
しかし、先に述べたように元々ワイン投資についてはお勧めしていましたが、それに集中して投資しましょうと言っていたわけではありません。
インデックス投資信者からの非難
内藤忍さんはマネックス証券創業に携わり、その後インデックス投資の普及に尽力してきました。
そのため内藤さんの著書やセミナーをきっかけにインデックス投資をはじめられたかたもおり、インデックス投資家の方からは慕われていました。
マネックスを退職後は、プライベートバンクを経由して独立し、富裕層をターゲットとした資産運用のアドバイスをなさっています。
その中では今も変わらずインデックス運用を推奨していますが、どちらかと言うと海外不動産投資や美術品などのアート作品やワインなど実物への投資について多く言及しているため、インデックス投資家からは裏切られた思いなのか独立当初から非難が殺到しています。
そして今回の件。
東芝やオリックスなど企業不祥事に事欠かない中で、これらの上場企業を推奨していたアナリストが叩かれていることは非常に少ない状況です。
これらの方が圧倒的に個人投資家に影響があるのにです。
対して、殆どの個人投資家が購入していないワインファンド会社への行政処分では、資産運用アドバイサーが必要以上にネット上で叩かれます。
これは内藤忍さんがこれまで個人投資家に多大な貢献をなされ、それだけ影響力を持っているということです。
インデックス投資家からはインデックス投資以外を紹介したりするからこんな目に合うんだ。
またインデックス投資だけに注目して!という願いもあるのかもしれません。
時にインデックス投資家が私には宗教のように見えます。
それはインデックス投資家は、インデックス投資以外は邪道という考えを持っている人が特に多いように感じるからです。
そして宗教ですから、一度インデックス投資を推奨した人は、他の方法を推奨しだすと非難殺到となります。
まぁ、これは日本の社会全体にもいえることですがね。
一生同じ考えを貫くことが美学という考えが日本人の根底にあるからでしょうが、間違ったことを一生貫かれても困ります。
その時々、時代に合わせて自分の考えや、やりたい事も人それぞれ変わっていくものということが理解される社会であって欲しいものです。
内藤忍さんに人やビジネスを見る眼は残念ながら無い
そういえば昔内藤さんから楽天創業前後の三木谷さんとのお話をセミナーか講演会かで聞いたことがあります。
確かその時内藤さんは楽天は成功しないだろうと思ったというお話だったと思います。
資産デザイン研究所のメルマガの中で、内藤さんがヴァンネット社と付き合うようになったり、ワインファンドへ投資するようになったのは、ヴァンネット社の人が信頼できる人柄だと思うようになったからだと言及されていました。
これらのことから、内藤忍氏に人やビジネスを見る眼は無いということは残念ながら証明されてしまっています。
結局ワインファンドのヴァンネット社は破綻
2016年3月7日、ヴァンネット社が東京地裁から破産開始決定を受けて破産しました。
毎日新聞の報道によると約520人が出資した約36億7000万円が償還されておらず、返金の見込みはないという。
そのヴァンネット社のワインファンドの投資していた投資家の方が出資者向けの説明会に参加して様子をレポートしているので、最後にご紹介しておきます。
その時々、時代に合わ【え】て自分の考えや、やりたい事も人それぞれ変わっていくものということが理解される社会であって欲しいものです。
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その時々、時代に合わ【せ】て自分の考えや、やりたい事も人それぞれ変わっていくものということが理解される社会であって欲しいものです。
の間違えではないですかね?
間違いのご指摘ありがとうございました。