楽天とバンガードによるVWOに投資する新興国株式インデックス型投資信託とは

楽天バンガード新興国株式インデックスファンドの仕組み

楽天バンガードファンドの新興国版が登場します。

楽天は今年に入って、バンガードと提携して世界に満遍なく投資する投資信託(楽天・全世界株式インデックス・ファンド)と、アメリカ株全般に投資する投資信託(楽天・全米株式インデックス・ファンド)を販売し始めました。

その第三弾として新興国株式に投資するインデックスファンドが登場します。

「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」とは

投資信託の名称は「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」で、愛称として「楽天・バンガード・ファンド(新興国株式)」が使われる可能性があります。

「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」は、バンガードが運用する「バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF」を実質的な投資対象とするファミリーファンド方式の投資信託になります。

楽天バンガード新興国株式インデックスファンドの仕組み

引用元:edinet

「バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF」のティッカーシンボルがVWOのため、各メディアやブログなどではVWOと表記されることも多いです。

そんなVWOの株価チャートですが、この10年ちょっとの間で以下のようになっています。

VWOのチャート

https://finance.google.com

投資対象となる新興国

「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」は、FTSEエマージングマーケットオールキャップインデックス(円換算ベース)に連動するように設計された商品となります。

FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ・インデックスは時価総額加重インデックスで、全世界の新興国市場の大型株・中型株・小型株のパフォーマンスを表します。

新興国株式のベンチマークとしては、MSCIエマージングマーケットインデックスが有名ですが、バンガードはファンドのコストを下げるために、インデックスを開発した会社へ支払うコストが低いFTSEを採用しています。

VWOが投資している新興国は中国やインド、ブラジル、ロシアといったBRICsをはじめ多国に渡りますが、投資対象比率上位10ヶ国は以下のようになっています。

国名 投資比率
中国 29%
台湾 16.1%
インド 11.9%
ブラジル 7.6%
南アフリカ 7.6%
メキシコ 4.3%
タイ 3.8%
ロシア 3.6%
マレーシア 3.5%
インドネシア 2.7%

 

更に、個別銘柄に注目すると、1番投資比率が高いのは本記事を書いている時点では、中国のテンセントとなっています。

引用元:https://www.vanguardjapan.co.jp/docs/FS_VWO_JP.pdf

手数料

「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」の手数料はどうなっているのでしょうか。

まず購入手数料はインデックスファンドとしては当然ですが、無料のノーロードファンドとなっています。

換金解約手数料もなく、信託財産留保額もありません。

保有手数料の信託報酬

投資信託を利用する上で1番気になるのが、保有コストである信託報酬です。

インデックスファンドは総じてこの信託報酬が低いわけですが、新興国株式に投資する投資信託は、日本株やアメリカ株など先進国に投資するファンドに比べて高い傾向にあります。

「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」自体の信託報酬は、年間で0.1296%となっていて、内訳は以下のようになっています。

委託会社 年間0.054%
販売会社 年間0.054%
運用会社 年間0.0216%

ただ、「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」は、「バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF」を保有するため、この海外ETFの保有コストも追加で発生します。

「バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF」の信託報酬は年間で0.14%となっているため、「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」を購入すると、年間で最低でも0.2696%の手数料が発生します。

購入できる証券会社

2017年11月時点で、「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」を購入できるのは、楽天証券を含めた3つのネット証券となっています。

  1. 楽天証券
  2. マネックス証券
  3. SBI証券

このうち楽天証券とマネックス証券は投資信託の設定直後である11月17日から購入が可能ですが、SBI証券については、少し遅れて11月28日から購入可能となる予定です。

他の新興国株式インデックス型投資信託と手数料を比較

「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」は、新興国株式に投資する新たなインデックス型の投資信託なわけですが、同じく新興国株式に投資する投資信託と比べて手数料はどうなのか比較してみました。

下記は、楽天証券における主要な投資信託になります。

投資信託名 信託報酬手数料
eMAXISSlim新興国株式インデックス 0.3672%
iFree新興国株式インデックス 0.3672%
たわらノーロード 新興国株式 0.5346%
eMAXIS新興国株式インデックス 0.648%
SMT新興国株式インデックス・オープン 0.648%

これまでは0.3672%のeMAXISSlimとiFreeの新興国株式インデックスが最も低コストの投資信託だったのですが、これらに比べても今回のバンガードETFを利用した「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」は低コストになりえます。

まとめ

新興国株式への投資もここまで低コストになるなんて、10年前までは考えられませんでした。

日本における投資環境の改善が進んでいるということを実感します。

新興国株式のパフォーマンスは、BRICsという言葉がもてはやされた時期を除いて、アメリカ株の方が良い投資成績を得られています。

また、インターネットの普及が進み始めた2000年台初頭においては、デカップリングといって、連動性がないために分散効果を得ることも出来ましたが、今や世界はインターネットで瞬時に情報が共有される世界になったため、アメリカ株と新興国株式は連動するようになり、アメリカが不況になって株価が下がれば新興国株も下がるという流れになっています。

そのため、自身のポートフォリオにどれだけ新興国株式を含めるかは難しいところです。

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